結論:米国FDAは、商品が「化粧品」と書かれているかではなく、製品の意図する用途(intended use)を重視します。 ラベル、ウェブ広告、販促資料、消費者への説明、成分の一般に知られた用途等が判断材料になります。日本での「化粧品」や「医薬部外品」の分類がそのまま米国で通用するわけではありません。
同じ外観の商品でも規制が変わる例
| 商品例 | 美容目的として検討し得る説明 | 医薬品等の分類検討が必要になる説明 |
|---|---|---|
| フェイスクリーム | 保湿して乾燥による小じわを目立たなくする | 皮膚細胞を再生させる、コラーゲン産生を増やす |
| シャンプー | 髪と頭皮を洗浄する | フケの治療を行う |
| 美容液 | 肌の外観を整える | 傷んだ組織を修復・治療する |
| 日焼け止め | ― | 日焼けを防ぐ訴求は米国でOTC医薬品の規制対象となる |
この表は単語を置き換えるだけで販売できるという一覧ではありません。完成品の成分、作用、使用方法、製品全体の目的を評価する必要があります。治療用途と美容用途の両方を持つ場合は両制度が関係することがあります。
「化粧品っぽい表現」に変更すればよい?
必ずしもそうではありません。例えば原料が生物学的製剤としての問題を持つ場合や、実際の使用目的が治療・組織機能への作用である場合、販促文言だけを変更しても問題は解消しません。
反対に、製品の実体と美容用途が適切で、広告だけが不要に疾病治療を暗示しているケースでは、根拠を伴う訴求の適正化がリスク低減に役立つ場合があります。表現の変更は調査の結果として行うものであり、調査の代わりではありません。
規制区分を確認する5つの資料
- 原料・最終処方と各成分の規格・安全性資料。
- 実際の用途、使用方法、塗布・導入・注射等の経路。
- ラベル、ウェブサイト、Amazon商品説明、SNS、セールストークの原文。
- 日本での製品分類と、米国販売時の製品分類の根拠。
- 製造者・ブランド・販売者の役割、米国輸入と市販後の対応体制。
分類後に何をする?
化粧品の制度が適用される場合は、安全性の裏付け、適正表示、MoCRAの適用・免除、施設登録・製品リスティング等を必要に応じて確認します。医薬品または生物学的製剤に該当する場合は、別の製造・登録・承認等の法的要件を検討します。
よくある質問
FDAに「コスメシューティカル」という制度がありますか?
ありません。FDAは「cosmeceutical」を法的な製品区分として認めていません。
美容目的の製品ならFDA登録だけで販売できますか?
いいえ。適用される製品分類、原料・最終製品の安全性、表示、MoCRA等の義務を確認する必要があります。登録・リスティングはFDAの製品承認を意味しません。
FDA公式資料・参照先
専門用語をやさしく
FDA
- 英語の正式名称・表記
- Food and Drug Administration
- 読み方
- フード・アンド・ドラッグ・アドミニストレーション
- 日本語訳
- 米国食品医薬品局
- 分かりやすくいうと
- 米国で流通する食品・医薬品・化粧品・医療機器等について、分野別の規制を担当する連邦政府機関です。すべての商品を事前承認する機関ではありません。
- 具体例
- 日本の菓子を米国で売るとき、施設登録・食品表示・輸入の各要件を確認します。
Labeling
- 英語の正式名称・表記
- Labeling
- 読み方
- レイベリング
- 日本語訳
- 商品表示・関連する説明
- 分かりやすくいうと
- 商品に付くラベルだけでなく、関連する表示や説明を含む法規上の概念です。範囲は製品と規則により確認します。
- 具体例
- 容器ラベルだけでなく、商品説明の効能表現も分類・表示の観点で確認します。
FDA Approval
- 英語の正式名称・表記
- FDA Approval
- 読み方
- エフディーエー・アプルーバル
- 日本語訳
- FDAによる承認
- 分かりやすくいうと
- 適用される承認制度の下でFDAが行う審査・承認です。施設登録やリスティングの完了とは異なります。
- 具体例
- 医療機器の施設登録完了を、製品の承認済みという表示に置き換えません。
次に、必要な対応を整理したい方へ
まずは、商品の用途・表示、製造または仕入れの流れ、米国での販売方法、希望時期を分かる範囲で整理してください。未定の項目があっても構いません。
その情報を基に、ご自身で進められることと、確認や手続きが必要なことを分けてご案内します。初回概要確認・見積もり相談は無料。詳細調査・書類レビューは、範囲と費用の合意後に進めます。