
FDAは2026年5月12日、食品中の化学物質を市販後に評価する新たな枠組みを確定し、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)とADA(アゾジカルボンアミド)の再評価開始を発表しました。食品・原料・食品接触材料を米国向けに供給する企業には、既存の使用根拠を整理しておく実務上の意味があります。
何が確定し、何がまだ決まっていないか
確定したのは、市販後の安全性情報を把握し、評価の優先順位を決め、科学的評価とリスク管理につなげる仕組みです。BHT・ADAの使用禁止を確定した最終規則ではありません。両物質については、現在の用途・安全性情報を求めるRFI(情報提供要請)が出されました。
FDAは評価対象リストへの掲載自体が、危険との結論を意味するものではないと説明しています。一方、将来の評価結果によっては、特定用途の承認変更・撤回などの措置につながる可能性があります。
対象となり得る製品・企業
BHTは油脂の酸化を防ぐために食品などに使用され、ADAは製パン用の粉の漂白・生地調整などに用いられます。食品接触材料での用途も確認対象です。自社で添加していなくても、複合原料や包装材料の供給者に使用状況を確認することが考えられます。
日本企業が整理しておきたい資料
本記事の実務提案は、①米国向けSKUと原料・包材の対応表を作る、②含有物質、使用目的、使用量を供給者に確認する、③米国での該当用途の使用根拠と条件を整理する、④代替原料の検討時には品質・保存性・表示への影響も確認する、という順序です。評価開始だけを理由に全製品の販売停止や一律の処方変更が義務づけられたわけではありません。