
マッサージ器具が医療機器に該当する条件
米国では、マッサージ器具の形状だけでFDA医療機器に該当するかを決めることはできません。意図する用途、広告文言、治療効果についての表示を確認する必要があります。FDA分類データベースには電動治療用マッサージ器(Product Code ISA、21 CFR 890.5660、Class I)や、用途によってClass IIに分類される別の機器も掲載されています。
同じ「マッサージ」という言葉でも、一般的な快適性を目的とする製品と、特定の疾患・症状への治療効果を標榜する製品では規制上の判断が異なります。Class Iに分類されても、製品によって登録、リスティング、表示、品質管理等の要否を別途判断します。
公式回収記録:Shoulder Flex Massage Device
FDAの医療機器リコールデータベースには、King Internationalを回収実施企業とするShoulder Flex Massage Deviceの事例が掲載されています。企業による回収開始日は2011年8月30日、FDAの掲載日は2011年11月10日、回収番号はZ-0172-2012です。
FDAの記録によると、回転機構に衣服・アクセサリー・髪の毛などが巻き込まれるおそれがあり、同機器の使用に関連した死亡および絞扼の報告がありました。回収通知は使用中止と適切な廃棄を求めています。FDAデータベース上の回収状況は2014年3月6日に「Terminated」となっています。
これは具体的な構造・安全性の問題によるリコール事例です。回収実施会社や回収区分を明記せず、一般のマッサージ器具に対する一律の「FDA摘発」と説明するのは適切ではありません。
警告書・自主回収・FDAの分類を区別する
FDAのWarning Letterは特定の企業に規制違反を指摘する文書です。一方、回収記録には回収実施企業、理由、数量、対象モデル、回収の進捗などが掲載されます。回収の事実だけで刑事事件や医療機器の未承認販売があったとは結論づけられません。
取引先や輸入者に説明する際は、FDA製品分類データベースとリコールデータベースをそれぞれ確認し、製品コードと回収番号を混同しないようにします。
日本メーカー向けの確認手順
①用途と効能表示を確定する。②該当し得るProduct CodeとClassを確認する。③必要な施設登録・製品リスティング・510(k)の有無などを評価する。④設計上の巻き込み・過熱・電気安全性などのリスク評価を行う。⑤ロット追跡と苦情処理、回収時の連絡体制を整える。